羽織をしゃらしゃら畳む女


とつぜんですが、友だちのお宅にお邪魔して、居間なんかで気楽に挨拶を交わしながら羽織をたためる女の人に憧れます。(ほんとにとつぜんですね)猯薺靴良いから瓩箸、そんな月並みな理由ではない気がします。一連の癖が生み出す、あの爐靴磴蕕靴磴薛瓩靴心兇犬箸いい泙垢…。

 

「あ、うつくしいな」、そう思う瞬間って、考えてみると相手はほとんど肩肘はってないことが多いんですよね。何気ない仕草にほど、その人っぽさがあらわれている。それこそ、ついじいっと見ちゃうのです。(そんなことって、ないですか)

 

成瀬映画『銀座化粧』に出てくる雪子さん(田中絹代)は、まさにそんな人でした。友達と再会を寿ぎながらも、手はしっかり羽織をたたんでいるし、来客があっても鏡を見ながら自分の帯をグルングルン巻いている。(お太鼓を作るのを、人に手伝ってもらったりもしている…!)

 

一方、わたしが着物に疎い母の付下げを譲り受けたときは、当然ながら両端を文鎮でがっつり固定した着付け本をチラ見しながら、クイックルワイパーで何往復も掃除しておいたフローリング床に羽織なり、付下げを大胆に広げて、カクカクたたみはじめたものです。(いまだにその儀式は続いていて、とてもしゃらしゃらとはたためそうにない)

 

でも、雪子さんを見ていると、和装に対してそこまで構えなくてもいいのかな、と気楽になります。

 

そんな成瀬映画の女主人公たちのファッション周りの仕草は、日頃気づかない人の何気ない美を照らしてくれるように思います。


そんなわけで(どんなわけで)神保町シアターでは成瀬特集ということで、今度は『女の座』に飛び込んできました。登場人物はみんな洋服を着ているから、雪子の爐靴磴蕕靴磴藉境瓩呂覆ったけれど、やっぱりちょっとお出かけするだけで、着物の入った桐ダンスを開けたりするし、パリジェンヌのように頭にスカーフを巻いてトレンチコート姿だったり、開襟ワンピースで踊ったりしてて、ずっと見てられるんだよなあ。(涙)

 

帰宅してから試しに、お気に入りのクルーネックのセーター(実は祖父が着ていたやつ)に赤いスカーフを巻いてみたんだけど、間違えてジブンの首を絞めるところでしたよ。正直、今の時代にスカーフは難しいです。危なかったー。笑


エフイチも細々と小さなファッション記事を編んできましたけど、今回もそんな映画にまつわる服話、挟んでいます。(田中絹代関連)よかったらみてみてくださいね。

 

帰りは古瀬戸へ。TDGの卒業制作発表の合間、ここに忍び込んだこそばゆい思い出があります。チーズケーキ、ほんとうに美味しいんですよね。ちょっと歩けば、ディスクユニオン。クリスコナーお持ち帰りっ。