三日月のお手紙が教えてくれたこと。

 

 

最新号、vol.8制作中のある秋の日の夜のことでした。お一人の読者さんから、三日月が描かれた夜色のお便りが届きました。


そこにはこんな一文が。

 

「皆にも思わず、『1/f』表紙裏にあるゆらぎのことを伝えてしまいました。ささやかで見過ごしがちだけれど、とても大事なことを、わたしもそっと伝えたいと思っています」

 

そう伝えてくださったこともあり創刊号の表紙裏にあるプロローグをあらためて読み返してみました。すると、ちょっとしたモヤモヤ感が…。


これを書いた創刊当初、編集人自身もエフイチがどのような本なのかまったく言葉にできず、こうであってほしいという願いを書いた(それしか書けなかった)ことを思い出しました。


お便りをしまった後、作業をいったん脇に置き、ちらかったデスクの上をブルドーザーのように片付けて、「『1/f』ってなんだろう」と、身体の中を改めて逍遥しつつ、スケッチブックの上にペンを走らせました。

 

 


「1/fとは『ゆらぎ』の指数をあらわす用語です。
『ゆらぎ』の程度が、1秒間に周波数fに反比例して
分布している場合に起こる…というと
ちょっとこんがらがりそうです。

 

サワサワと打ち寄せる波のおとや
チラチラと降り注ぐ午后のこもれびなど
自然の中でたまに出合う、あの『ゆらゆら』のことです。


そんな1/fのゆらめきは
人にここちよさをもたらすといわれています。


この本はそのような、気づけば日常にある
『ここちよさ』をみつめなおす本です。
きまったジャンルもありません。
その時に心に感じたストーリーをさがしたり
ひとにはなしを聴きに出かけていく、きまぐれさが身上。

 

せわしくうごきづづける日々の中で
あ、いいな、と直感がつげてくれたら
それを拾い上げて、ゆっくり耳を澄ませてみる。
あなたの無二の時間によりそう
一冊になれば、うれしいです」

 

 

この走り書きを読み返したとき、ずいぶんすっきりしたことを覚えています。


そして、何気なく創刊号の奥付をチェックしてみたら(本はまず奥付から見るのが癖なもので)…いったい何が符号したのか、創刊日から5年前の今日でした。(ちょっとゾクゾクしました)


まだまだ編集人自身も探検中ですが、ちいさな本のことを(それも、とても大事なことを)読者さんからまたひとつ教えてもらった夜長の出来事でありました。


そのような節目をきっかけに、vol.8からの表紙裏はこのプロローグがバトンタッチすることになります。(8冊目にて、はじめてのこころみです)

 

ちょっとドキドキしながらも、きっとまた何か読者さんが教えてくれるものと、不思議と安心しきってもいます。

 

次号もよろしければ、好きなときに、好きな場所で、ペラリと読んでみてくださるとうれしいです。

 

ではでは、vol.8、予約スタートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


londel 

Keiko Nagao