午睡

 

 

バスに乗りこんだ男
無造作にとりだした
500円玉を箱に投げ
シートにくずおれた


獣の如く唸るエンジン
我に返すことはなく


とらえようとする意思の
いっさいをうばわれ
焦点の合わせ方
忘れた視線は


くもりガラスを抜け
遥かとおく一点へ
縛りつけられている


そのときだ
閉じられた口端から
堪り兼ねた放心が
にわか眼前で
はじけたのは


午睡ののち 黄昏どき
目覚めた如き面持ちと
目尻に走った脆い皺を
たしかなサインとして

 

 

 

 

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本日サイトにアップしましたが、7月4日から開催される鈴木修司さんの作品展に、詩の簡抜を担当します。ずっと憧れていた工房百木根の古染付の世界。そこで得た新鮮な気づきを、詩とともにご紹介できればと思っています。ぜひ、お出かけください。

 

https://ehubunnoichi.com/info/2647804

 

右下の「午睡」という香皿を見たとき、未熟な詩ごころ(と呼びたい)が刺激されたのでした。うつわを目の前にした際の「放心」する感覚も、ちょっぴりエッセンスとして入っているのかも。

 

 

 

by londel

 


イベントとは関係ないのですが、カフェでブレンド注文したら、タイムリーなことに古伊万里などでたまに見られる網目文の、なんとも珍しい?ミルクピッチャーがサーブされ、秒で鼻息荒くなってしまった。

ミルク断わりそびれたさいわい哉


 

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