馴染みの喫茶店では

たまにソーサーに季節の花を添えてくれます。

この瞬間が密かに楽しみで、そっと濡らしたちり紙に包み

部屋に持って帰るのです。

 

この紫陽花を眺めていると、自分が選んだ花より

人が用意してくれた花の方が好きらしいな、と思いました。

どうしてだろう。

 

*    *    *

 

さて。

連日、取材させていただく機会が続いているのですが

その中で思うことは「レコーダーの有無」についてです。

(前回の「シャッター音の有無」とほとんど被りそうですね)

 

最近、レコーダーを使った取材のメリットと

デメリットを噛みしめています。

 

実は、記録方法として

レコーダーを使用するようになったのは今年からです。

それまではメモとペンのみでした。

人の話を聴いて、ふむふむと高速で紙に書き落とすスタイルでした。

冊子づくりを始めて2年間は

意識的に筆記にこだわっていたように思います。

 

*    *    *

 

個人的に思う筆記の良さは

インタビュイーの方が自然体にされていることです。

日々の延長線として

ごく日常的な雰囲気で対話が進みます。

言葉は瞬時に空気中に分散して消えていくー…

だから、その絶妙なニュアンスを掴むために

メモには文字だけではなく

あらゆるものを書くことがあります。

アラビア文字のような形をした

みみずのような文字(読めません)であったり

図形だったり、表だったりします。

 

何かその時に目の前の人から感じたオーラの

輪郭をふちどろうと試みます。

例え読めなくても、その文字の焦りから

状況を鮮明に思い出すものです。

 

しかし、具体的な情報を取りこぼしてしまうことの

無いよう、ある時期からレコーダーを使うようになりました。

 

「レコーダーくらい、当たりまえでしょう」と我ながら思います。

けれど、その選択は、個人的に大きな変更でした。

ガラパゴス携帯からスマートフォンに移行した

5年前の感覚より

さらに強い思い切りがありました。

 

*   *   *

 

レコーダーを使い始めたある日

とある取材で「録音してよいですか」とたずねると

「あら、変なことが言えないわ」とおっしゃった方がいました。

なるほど、と思いました。

そして、自分がインタビュイーの立場であったらと想像してみました。

その中の私は、レコーダーの存在に「ちゃんとせねば」という

小誌のテーマとはかけ離れた感情が起こっていて

そわそわしていました。

 

それからしばらく、試験的に使うようになって

今もガラパゴス諸島(あくまで比喩的な意味で)と

東京との行き来を繰り返しています。

そして、それで良いと思ってきました。

 

実際、レコーダーという文明の利器によって

あらゆることが勉強になっています。

 

例えば、メモに気がとられないことで

インタビュイーの方の顔をじっくり見て

お話を伺うことができるようになったこと。

 

また、録音したものを後日聞き返す時。

(この作業は自分にとって

大変勇気がいることなのですが)

聞き方の課題を明らかにさせ

自覚する教訓となっています。

(実際、現在、凹み中。深さ20kmほど 笑)

 

先日聴いて驚いたのは

インタビュイーの方のレコーダーへの

こわばりを極力取り除く為に

カセットで録音するというレトロな手法をとっている

ライターの方がいらっしゃるということでした。

 

そのような人との距離感を模索されている方の存在は

大変励ましになるのでした。

 

 

 

 

 

 

by londel

 

 

 

 

 

 

 

 


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