家のような本を持つこと

 

最新号を発行してから一定の期間が経つと、バックナンバーをお手にとっていただくことが不思議とゆるやかに増えます。今回もそんな時期がーーさざなみがくるぶしにパサっとかかるような感覚でーーやってきて、少しの意外さと、感謝がふくらみます。ありがとうございます。

 

発送させていただいた方、ぜひお楽しみいただければうれしいです。

 

最近は、特にvol.6をお届けすることが多いです。偶然ですが、私もこの中で紹介したA・M ・リンドバーグ夫人の『海からの贈物』(吉田健一訳)をずっと読み返していたところで、改めてこの「ひとりの時間」というテーマの「伸びしろ」ならぬ「堀りしろ(造語)」を感じていました。

 

誰しも定期的に帰りたいお家(home)のような一冊があると思いますが、私の中ではこの本がそれにあたります。

 

 

あたらしい情報が湧いてきては、またたく間に消費されてしまうことが当たり前の今、過去に生きた人の言葉を今の感性と言語で読み直し、自分の栄養として濾過していく作業は正直手間がかかることですし、しにくくなっているように感じます。

 

ただ、そんな“翻訳作業″をし続けている方々のはたらきや、つたなくとも自分でやってみることで摂取できる栄養は、そう簡単に消化されることはありません。homeのような本は、その手がかりになるはずです。

 

by Kei